入学式。

私はお母さんと2人で
書類とかをもちながら
体育館を目指して歩いていた。

入学式にはピッタリの晴れ晴れとしたいい天気。
私はこんな天気が好きだからそれだけで気分がよくなる。

自分も晴奈だからやっぱり晴れが好き

なんて単純な私。


「体育館…全然わからない…」

お母さんが焦ってオロオロし始める。

「人についてってみようか〜」

マイペースであんまり焦らない私。

この性格はお父さん譲り。


「あ〜あの辺ついてきゃつくって!」


「ホントに?」

「大丈夫大丈夫!」

私の適当な性格をあまりお母さんは好きじゃない気がするけど

こういうときはそんなこと気にしてたら
やってけない。


前の方の人についていったら

フワッと甘い匂いがした。

花とかじゃなくて

お菓子の甘い匂い。


少し俯いていた私は
顔をあげたら

横を男の子が通っていっただけだと気付いた。


小柄で華奢な感じの男の子。

顔は見えない。


でも
私同様綺麗な制服に身を包み

緊張した様子で足早に歩いていたから

同じ新入生だ。


もしかしたらまた会う機会もあるかもしれない。
私達は
少しペースをあげて
同じ立場の子たちについていった。