雨の日は君の彼女

「ごめん、キモいよね もうこんなこと書かないから」


なんでそんなこと言うの?

書いてよ私のこと。

また悲しげな顔。

そんな顔しないでよ。

何か訴えたいのを必死に我慢しているのだろうか。

そんな彼を横目に、私は喜びを隠そうと必死だった。



「でも、愚痴を言いそうになる雨の日だけ止めてくれないかな」



「雨の日だけでいいから付き合ってくれないかな」



昨日より激しく降る雨。

今日は暴風警報は出ていない。

彼にまっすぐ見つめられて心臓がもたない。

今までにないほどドキドキしている。

天気痛なのか、頭が痛い。


変な感じ。


私はそれにしっかりと頷いてしまった。

ああ、今日が雨でよかった。



「よろしく」


「蘭」



名前を呼ばれて、また嬉しくなる。

部屋に響くのは雨の音と彼の声だけ。

今日も雨の匂いがする。


震える手で彼に優しく包まれているから。



「こちらこそよろしく 琥珀」



誰も通らない廊下。

暗い教室。

激しい雨の音。

彼の匂い。



今日から私は、雨の日だけ君の彼女。