雨の日は君の彼女

彼の顔の半分だけが一瞬、明るくなる。

そして雨がいっそう強く、激しくなる。

違う。

私が泣いているのはさっきの雷や雨風で揺れる窓のせいじゃない。

朝比奈くんが、私の涙を指で拭った。

優しく丁寧に、震える指先で、大切に大切に。

こんなに大事に触らないでよ。

そんな顔しないでよ。

ここだけはゆっくりと時が流れているみたいだ。

彼も私も全身、影につかっている。

日の光なんてない。

教室の蛍光灯がチカチカして、今にも電気が消えそう。

私は、いつもの明るい朝比奈くんと正反対の、悲しげで、つまらなさそうな、、、、そう、雨の匂いがするここにいる彼に惹かれてるんだ。

意味がわからない。

この感覚は好きの感覚だったのか。

私はあの傘を貸してもらった時から好きだったのか。

今は彼の私にだけ見せる醜い部分を特別に感じる。



「この手帳、内容が愚痴なのは4月だけだよ」