雨の日は君の彼女



「先生、ここの鍵取ってくるからそれまでに片付けて帰れよ」


「はい」


私はカバンを自分の座っていた、椅子に乗せる。

トントンと何冊かの教科書を揃えて、筆箱と一緒にカバンの中に放り込んだ時、足もとに何かが落ちているのが見えた。

机の下。

これじゃあ先生も気づかないだろう。

私は椅子を少し左に寄せて潜り込む。

それを拾い上げた時何が落ちていたのかがわかった。


手帳だ。


それも本格的な紺色の皮に、金色で今年の西暦が刻まれたもの。

これには私も驚きだった。

たいして偏差値のよくないこの高校こんな本格的なものを持っている人がいるだなんて。

傷つかないように、慎重にほこりを払う。

私はまじまじと表裏を見て名前が書いてないのを確認してから中を開けた。



すごい



思わず口に出してしまいそうになる。

中には、予定がしっかりと書かれていた。

友達と遊ぶ予定、古典の単語テストなど写真を撮ってしまおうと思ったくらいだ。

でもそれをしなかった。

よく見ると、下の方に何かが書いてあった。

私はその場で硬直した。




『課題くらい自分で出せよ』


『遊びに行くのめんどくさ』


『早く帰りたい』