そして、私の婚約者アーサー含め何人かの攻略対象者が、どこからかやって来て彼女を庇うのだ。

 はいはい……ええ。悪役ですよ。私こそが、悪役令嬢ですよ。それで良いんでしょう。

 今ではもう、開き直って、すべてを諦めた……この立場を抜けたくてどう足掻いても、どうせ乙女ゲームヒロインの都合の良い方向へ進んでいくんだから。

 私はこのまま、ヒロインを虐めた悪役令嬢として、断罪されることを待つのみよ。

「ティルダ様……良いんですの。あんな……」

 悪役令嬢ティルダたる私には、今だって何人かの貴族令嬢が取り巻いて居る。