「どういう意味?」

「……俺、確かに最初は友だちもほしいなーって思ってた。学校もつまんねぇし、勉強だってわかんねぇし。友だちがいたら違うのかなって思って。それで夜中までオンラインでゲームやったりしてた」

「うん」

「だけど、千春ちゃんと出会って、一緒に勉強するようになって、祭りに行ったり遊んだり、いろいろしてるうちに、俺は千春ちゃんのこと、もっと知りたいと思った」

「え?」

「俺のことも知ってほしいし、千春ちゃんのことも知りたいと思ったんだ」


それは、わたしも同じだった。

だから、家族にわたしを紹介してくれたのがすごく嬉しくて。

わたしもお母さんに大切な友だちだよって早く紹介したくて。

湊くんも同じように思ってくれているのが嬉しい。


「それは友だちとしてもそうだけどさ。俺は、いつのまにか千春ちゃんのことをただの友だちとは見れなくなっちゃったんだ」

「それは……」


ブランコの揺れを止めて、じっとわたしを見つめる湊くん。

わたしも自然と足を地面について、向かい合うように見つめた。