ブランコに座って、ギーコギーコと揺れる音を聞きながらなんとなく揺らしてみる。

湊くんは


「なんかこれ、懐かしいな」


なんて言って同じように乗り始めた。

公園の中は誰もいなくて、まだジリジリとした日差しがわたしたちを照らしている。


「暑いね」

「な。もうすぐ夏も終わりのはずなのに」


残暑が嫌になりながら、湊くんが話し始めるのを待った。


「千春ちゃん」

「ん?」

「俺、千春ちゃんが俺のことを大切な友だちって言ってくれたのが嬉しかったって言っただろ?」

「うん」

「でも、嬉しいのと同じくらい、本当は悔しかった」

「え?どうして?」


大切な友だちって言われて悔しいだなんて、そんなことがあるの?


「……俺は千春ちゃんのこと、友だち以上に思ってるのに千春ちゃんにとって俺はただ友だち止まりなのかなと思ったら、悔しかったんだ」

「友だち、以上?」

「そう。……意味わかる?」


ニヤッとした視線に、わたしはわけがわからなくて首を横に振る。

すると湊くんは


「うん、知ってた」


と嬉しそうに笑った。