キミと踏み出す、最初の一歩。

「川上くんは、ひとりぼっちでクラスでも浮いてるわたしと普通に会話してくれた。名前を覚えてくれてて、一緒にノートを運んでくれた。嬉しかった。こっちに越してきたばかりで知り合いも全然いないわたしの、唯一の大切な友だちなの。そんな湊くんに……わたしの大切な友だちに、お願いだから酷いこと言わないで……」


どうか、この気持ちが伝わってほしい。

無理に仲良くする必要なんてない。

だけど、湊くんが怖い人じゃないんだってことは、知ってほしい。

噂も全部嘘で、優しくてとっても温かい人なんだってことを、知ってほしい。

無闇に怖がったり、避けたり、逃げるようなことをしたり。

人を傷つけるようなことは、しないでほしい。

わたしのやり方だって間違っているかもしれない。

このことが、逆に湊くんをさらに傷付けてしまうかもしれない。

怒られるかもしれないし、余計なことすんなって言われちゃうかもしれない。

多分、わたしは今よりさらに浮いちゃうだろうし、湊くん以外に友だちなんてできないだろう。

これだけ騒いでみんなにお説教みたいなことをしたんだ。

嫌われたって何も言えやしない。

だけど、後悔はしていなかった。

むしろ、どこか清々しい気持ちさえ感じていた。

こんなに自分の気持ちを曝け出したのが、初めてだったからだろうか。

誰かのために怒ったことが、初めてだったからだろうか。

わからないけれど、言いたいことを全部言ったら、苦しかった胸の内が少しだけ楽になったような気がした。