「……なに、まだ学校に用事あった?」
不思議そうな湊くんに、わたしは慌てて首を横に振る。
「ううんっ……びっくりしただけ……です」
「ははっ、そっか。じゃあ行こう」
「うん……」
湊くんがわたしのカバンを持ってくれて、当たり前のように教室から出るのを待ってくれている。
クラス中の視線を感じて緊張してしまい、足がもつれそうになりながらもわたしも湊くんの元へ向かった。
「結局千春ちゃんの家に行けなかったから、今度こそ予定合わせて行ってもいい?」
「う、うん。それは全然いいんだけど……」
「ん?けど?」
「あの、その髪……」
「あぁ、これ?」
山田先生に言われた時と同じように髪の毛を触りながら笑った湊くんは、
「美雨も落ち着いたし、もう金髪である必要はないって言ったじゃん」
とほんの少し切なそうな表情を見せた。
「……うん」
「だからタイミングがいいかなって思って戻しただけ。久しぶりだから俺も落ち着かないんだけどね」
その言葉が本心じゃないことくらい、わたしでもわかる。
自意識過剰ってやつかもしれないけど、多分、わたしのためにしてくれたんだ。
そう思ったら、泣きたくなるくらいに嬉しかった。
「ありがとう湊くん」
「え?何が?」
「ううん。でも、本当見慣れない」
「やっぱり?どう、似合う?」
「うん。似合ってる」
「良かった。千春ちゃんにそう言ってもらえると嬉しい」
当たり前のようにそう言うから、わたしの心臓が持ちそうもない。
ただでさえ元々かっこいい人だ。それが急にイメチェンしたら、ドキドキするに決まってる。
……でも、テレビに出ているアイドルを見ても、こうは思わないよなぁ……。
どうして、わたしは湊くんにだけこんなにドキドキするんだろう。
湊くんに対してはもう緊張しなくなったのに。
一体どうしてなんだろう。
不思議そうな湊くんに、わたしは慌てて首を横に振る。
「ううんっ……びっくりしただけ……です」
「ははっ、そっか。じゃあ行こう」
「うん……」
湊くんがわたしのカバンを持ってくれて、当たり前のように教室から出るのを待ってくれている。
クラス中の視線を感じて緊張してしまい、足がもつれそうになりながらもわたしも湊くんの元へ向かった。
「結局千春ちゃんの家に行けなかったから、今度こそ予定合わせて行ってもいい?」
「う、うん。それは全然いいんだけど……」
「ん?けど?」
「あの、その髪……」
「あぁ、これ?」
山田先生に言われた時と同じように髪の毛を触りながら笑った湊くんは、
「美雨も落ち着いたし、もう金髪である必要はないって言ったじゃん」
とほんの少し切なそうな表情を見せた。
「……うん」
「だからタイミングがいいかなって思って戻しただけ。久しぶりだから俺も落ち着かないんだけどね」
その言葉が本心じゃないことくらい、わたしでもわかる。
自意識過剰ってやつかもしれないけど、多分、わたしのためにしてくれたんだ。
そう思ったら、泣きたくなるくらいに嬉しかった。
「ありがとう湊くん」
「え?何が?」
「ううん。でも、本当見慣れない」
「やっぱり?どう、似合う?」
「うん。似合ってる」
「良かった。千春ちゃんにそう言ってもらえると嬉しい」
当たり前のようにそう言うから、わたしの心臓が持ちそうもない。
ただでさえ元々かっこいい人だ。それが急にイメチェンしたら、ドキドキするに決まってる。
……でも、テレビに出ているアイドルを見ても、こうは思わないよなぁ……。
どうして、わたしは湊くんにだけこんなにドキドキするんだろう。
湊くんに対してはもう緊張しなくなったのに。
一体どうしてなんだろう。



