川上くんとお祭りに行ってからは、お盆に入ったためしばらく会わない日が続いた。

わたしも親戚に会ったり、お墓参りに行ったりと忙しい毎日を過ごしていた。

そしてお盆休みが終わった八月の後半。


「お、お邪魔します……」

「どーぞ」

「千春ちゃん……!こんにちは」

「あ、こんにちは美雨ちゃん。お邪魔しますね」


わたしはド緊張の中、川上家へ足を踏み入れていた。


「いらっしゃい。湊と美雨の母です。あなたが千春ちゃん?」

「は、はい。初めまして!今日はお招きいただきっ、ありがとうございますっ……!」

「ふふ、可愛らしい子ね。丁寧なご挨拶どうもありがとう」

「あ、あのっ、これ……うちのお母さ……いや、母からです」

「あらぁ、お気遣いいただいて申し訳ないわ。ありがとう。お母さんにもよろしくね」

「はい!」


川上くんのお母さんはすらっとした背の高いすごく綺麗な人で、まるでモデルさんみたいだった。

きっとお父さんも相当なイケメンなんだと思う。

ガチガチに緊張しつつもどうにか手土産も渡すことができて、わたしは一人、ホッと息を吐く。