「え?」
「実は美雨がうちの母親に白咲さんのこと言ったらしくてさ。母さんがうちに呼べってうるさいんだよ。もちろん、白咲さんが嫌だったらやめとくけど」
「ううん。嫌じゃないよ。それに、わたしのお母さんも同じなんだ。新しくできたお友だち、ごちそう用意するから家に連れてこいって言われたばっかりで」
「マジか。じゃあお互いの家にお邪魔しないといけないな」
「うん。迷惑じゃない?」
「まさか。でも多分、うちの母親めちゃくちゃ張り切ると思うから、ドン引きするかも」
「そんなに?ふふ、ちょっと気になってきた」
「あんまハードル上げんなよ。じゃあ母さんに言っておくわ」
「うん。わたしもお母さんに言っておく」
そんな約束をしていると、いつのまにか時間になったようで花火の打ち上げ開始のアナウンスが流れた。
「あ、始まる」
二人で見上げると、数十秒して光の玉が空の上へと飛んでいく。
そして、バン!という音と共に大きく花開いた。
色とりどりの輝きは、見ているだけで言葉を失わせる。
「キレイ……」
地域のお祭りの規模とは思えないほどにしっかりとした打ち上げ花火に、わたしは目を奪われてずっと空を見つめていた。
そんなわたしの手を取り、ぎゅっと握った川上くん。
驚いて隣を見上げると、綺麗な横顔が目に入る。
花火の明かりで、金髪が煌めいていた。
「……川上くん」
「うん?」
「今日、本当に来てよかった。誘ってくれてありがとう」
満面の笑みでそう伝えると、川上くんは
「……また来年も、一緒に行こうよ」
と真剣な目で誘ってくれる。
それに頷くと、照れたようにわたしから顔を逸らしてまた空を見上げる。
わたしもそれに倣うように視線を空に戻す。
時間で言えば、たったの十五分ほどだったと思う。
だけど、わたしにとってはとても心に残る幸せな十五分間だった。
「実は美雨がうちの母親に白咲さんのこと言ったらしくてさ。母さんがうちに呼べってうるさいんだよ。もちろん、白咲さんが嫌だったらやめとくけど」
「ううん。嫌じゃないよ。それに、わたしのお母さんも同じなんだ。新しくできたお友だち、ごちそう用意するから家に連れてこいって言われたばっかりで」
「マジか。じゃあお互いの家にお邪魔しないといけないな」
「うん。迷惑じゃない?」
「まさか。でも多分、うちの母親めちゃくちゃ張り切ると思うから、ドン引きするかも」
「そんなに?ふふ、ちょっと気になってきた」
「あんまハードル上げんなよ。じゃあ母さんに言っておくわ」
「うん。わたしもお母さんに言っておく」
そんな約束をしていると、いつのまにか時間になったようで花火の打ち上げ開始のアナウンスが流れた。
「あ、始まる」
二人で見上げると、数十秒して光の玉が空の上へと飛んでいく。
そして、バン!という音と共に大きく花開いた。
色とりどりの輝きは、見ているだけで言葉を失わせる。
「キレイ……」
地域のお祭りの規模とは思えないほどにしっかりとした打ち上げ花火に、わたしは目を奪われてずっと空を見つめていた。
そんなわたしの手を取り、ぎゅっと握った川上くん。
驚いて隣を見上げると、綺麗な横顔が目に入る。
花火の明かりで、金髪が煌めいていた。
「……川上くん」
「うん?」
「今日、本当に来てよかった。誘ってくれてありがとう」
満面の笑みでそう伝えると、川上くんは
「……また来年も、一緒に行こうよ」
と真剣な目で誘ってくれる。
それに頷くと、照れたようにわたしから顔を逸らしてまた空を見上げる。
わたしもそれに倣うように視線を空に戻す。
時間で言えば、たったの十五分ほどだったと思う。
だけど、わたしにとってはとても心に残る幸せな十五分間だった。



