「ふふっ、そんなのお母さんが着せてあげるから大丈夫よ。そうね、髪の毛も可愛くしてあげる」

「お母さん、そんなことできるの?」

「人並みにはね。……こっちに越してきてから、千春が明るくなったの、お父さんもお母さんも気付いてた。きっと素敵なお友だちができたんだろうって話してたの」

「お母さん……」

「お祭りも、その子と行くんでしょう?」

「……うん」

「今度、その子のこと紹介してね。ごちそう作っちゃうから」

「もうっ、張り切りすぎだよっ」

「そんなことないわよ。千春と仲良くしてくれてありがとうって言いたいの」

「……ありがとお母さん」

「うん。じゃあ当日はお母さんに任せて!とびっきり可愛くしてあげるから!」


わたし以上にお母さんの方が張り切っていて楽しそうだ。

でも、浴衣着るの楽しみだなあ。

早く当日になってほしくて、そわそわが止まらなかった。