「あのっ、いや……えっと、わたし、友だちがいなくて……。だから、それを知っててからかわれたんだと思って、しまって」


目をぎゅっと閉じて答えると、川上くんは


「なんだ、そんなことかよ」


とどうでもいいことのようにケラケラと笑う。


「全然騙すつもりもないし、からかうつもりもないから。俺そこまで性悪に見える?」

「え……いや、噂だけ聞くと……ちょっと?」

「ふはっ!マジか!いや確かに言われてみればそうだな?」


……川上くんって、結構小さなことでも笑う人なんだな……。

意外な一面を知り、またその笑顔に目を奪われてしまう。


「本当、余計なこと考えさせて悪かった。でも、白咲さんってマジで友だちいねぇの?」

「は、い。……入学と同時に引っ越してきたから、知り合いもいなくて」

「マジ?俺と同じじゃん。だからそんな緊張してんの?もしかして人見知り?」

「え……」

「あんた、あがり症だろ?俺の妹もそうだからなんとなくわかるよ」


当たり前のようにそう言われて、わたしは驚いて目を見開く。