「女子一人で持つ量じゃねぇだろ。せんせー、それでいいだろ?」

「いや川上、お前はまだ話終わってないぞ」

「もういいって。そもそも女子にこんな量運ばせるとか信じらんねぇし。せんせーが鬼に見えるので俺はこっち手伝いますー。でもそこまで言うならプリントでもなんでもやってやるよ。その代わりちゃんと成績つけてくれよ」


川上くんは山田先生にそう返事をしてから、わたしが落とした分のノートを全部拾ってくれて軽々と持ってくれる。


「白咲さん、行こ」

「え……え!?」

「早く行かないと昼休み終わるけど」

「あ、はいっ」


正気に戻ったわたしは、慌てて残りのノートを持って立ち上がり、川上くんの後をついていく。


「川上、後でプリント取りにこいよー」

「気が向いたらねー」


そんな声を聞きながら、職員室を出た。