「ゆみちゃん、おは〜」
「あ、おはよっ」
私、小学五年生、百海由美(ももみゆみ)はいつも、同じ小学校に通う小学五年生のお友達、綾瀬倉良(あやせくらら)ちゃんと登校。
「ねえねえ、この少女マンガ見てよ〜〜!!この少女がね、平凡な人生送ってる時にね、街角でカッコ良すぎるお兄さんとぶつかっちゃうんだよ〜〜〜!!もう、最高じゃない!?」
「あははっ。くららちゃんってば、少女マンガ読みすぎだって。しかも、学校に漫画持っていっちゃダメでしょ。」
「ちょっとくらいなら、バレないでしょ!!こんなこと起きればいいのになあ〜〜」
「くららちゃんってば、妄想ばっかりっ!!超激ムズの算数テストが今日はあるんだから、予習しないと!」
「もう、少しくらいゆみも妄想してみたらどうっ??さいっこうにたのしいよ!!」
あ、はい、そうですか……私はテストの予習します……
「そもそも、そんなこと絶対起きるわけな……」
「いっけーーゆみ!」
「ちょ、何!?」
『ばんっ』と私はくららに背中を押されて、前のお兄さんに倒れ込む―――!
「ぎゃあっ」
「す、すまん……」
「ご、ごめんなさい……」
私は早歩きで退場。
もう、最悪なんですけど!?!?
「ちょ、くららちゃん、何やってるのっ……!」
「ぐふふふっ」
「ぐふふふっじゃなくて!!相手の人、困り顔だよ!」
くららちゃんー!!少しはこっちのことも考えて〜〜!!
「あのお兄さん、中学生かな?すっごいモテそうだね〜〜」
くららちゃん、聞く耳も持たず。
「んもーー!最悪っ!!くららちゃんのせいだからねっ!」
「ん?なんの話?」
もう、人の話くらい聞いてくれえーー!!