ひまりと解散したあと、私は二階にある自室へと駆け込んだ。
 スクールバックを床に叩きつけるかのように強く置き、ベットに倒れ込んだ。
 春樹が他の女の子と話しているのを見るととても胸が痛くなって泣きそうになる。
 春樹のことを考えるだけで嬉しくなったり、でも私の事は好きじゃないとわかってるから、悲しくもなったりする。
 私がそんな風になるように、春樹も氷柱ちゃんのことを考えると嬉しくなっりするのかな。
 そう考えるとまた泣きそうになってしまう。
 いつまでも前を向けずに、春樹に執着し続けてきる自分が嫌いになる。
 私は1人でまた泣いてしまい、気付けば寝落ちをしてしまっていた。

 キーンコーンカーンコン。
 「はーい今日はここまで。みんな帰りの会の準備をしてください」
 はーい。と子供たちの高い声が教室に響く。
 周りを見渡すと、私が通っていた小学校の教室だった。
 「織部(おりべ)ー!今日も一緒に帰るよな?」
 え?春樹?
 そこには声もまだ高く、ランドセルを手に持った春樹が居た。
 「うん!」
 と、勝手に口が動く。
 なるほど、これは夢の中でいわゆる明晰夢ってやつか。
 春樹と下駄箱に向かう。
 4年2組。どうやら私が4年生の時の夢らしい。
 外では雪が少し降っていた。
 あまりら雪が降る地域では無いので、みんなテンションが上がっていた。
 こんなにも寒いのにも関わらず、春樹は半袖半ズボンだった。
 そういえば小学生のときは、春樹は年中半袖半ズボンで某有名スポーツ用品ブランドの服を毎日着ていた。
 そんなことを考えていると、春樹が口を開いた。
 「今日もあいつらウザかったよなー」
 春樹の言う、アイツらとは私たちをいじめていた女の子達のことだ。
 小学四年生の時、私と春樹はいじめられていた。
 とても辛かったが、おかげでお互い絆が深まり、この出来事があったからこそ私達は親友になったのだ。
 お互いの別れ道まで歩いたところでまた場面が変わった。