自覚するとどんどん山本君のことを意識してしまう。

誕生日、趣味、好きな食べ物、嫌いな食べ物など色んなことが知りたくなるし、私のことも知って欲しいという気持ちになる。

だけど、この人見知りな性格のせいで話しかけることも出来ない。

話しかけられても苦笑いや動揺した返事しかしていないからむしろ変な人だと思われているかもしれない。

だから、親友で幼馴染の田川鈴によく相談をした。
「菜乃が自分から話しかけないと仲良くなれないよ!!」

この鈴の言葉によって背中を押してもらった私は自分から山本君に話しかけることができた。

たくさんのことを話す度に私はどんどん彼のことが好きになっていた。

爽やかでどんな人にも優しくできる彼が眩しく見えていた。

ずっと一緒にいたいと考えるようになったけど、高校はお互い別になってしまう。

私は卒業式の日に思い切って告白しようと決めた。

この恋が実るように願った-

卒業式の日、式を終えてみんなが写真撮影などごった返している時に私は山本君を探した。

心臓がバクバクする。

私が想いを伝えた時、どんな反応をするかな、喜んでくれるかな...と思っていると、私は山本君を見つけた。