幼い日に見た雲は、
どこまでも白く、
どこまでも遠かった。


どんなに追いかけても、
どんなに手を伸ばしても、

決して掴まえることのできないそれは、
なんだかあの人に似ているようで、

とてもとても悲しかった。


それでも、まだ手をのばしたいと思うのは、

私があの頃から一歩も前に進んでいないからだ。