次の週、塾が終わったあと半信半疑でファストフード店に入ってみたら、ほんとうに皆上くんが来ていた。
 私を見つけたとたん、
「碧葉!」
 なんて元気よく名前を呼んできて、そのまま相席することに。
「どうして皆上くんもここにいるの?」
 友だちと遊んだ帰りとか?
 皆上くんは、うーんと両手を上に伸ばして、
「実は、碧葉と似たような理由」
「え? じゃあ、塾の帰り?」
「ちがうよ。オレ、勉強キライだし。コンテンポラリーダンスのワークショップ参加してんの」
 コンテン……? 聞きなれない言葉。
「中学のときから。開催時期はたびたび変わるけど、ずっと続けてるんだ。振付けとかが特に決まってなくて自由な表現で踊るの。昔から集団生活が苦手で、授業にも集中できなくて、学校行ってても怒られてばっかだから、どうしようかなって思ってたときにコンテンポラリーダンスに出会って。練習大変だけど、身体動かすの楽しいから毎晩ずっと踊ってる。そのかわり、教室ではひたすら寝てんだけどね」
 と、皆上くんは苦笑する。
「そうだったんだ……」