なぜか彼氏が2人できちゃいました……。

まだ夢じゃ無いかと思いながら素直に彼の後をついていった。


連れてこられたのは、同じ階の一番端にある空き教室。


机が積み上げられているだけの殺風景な空間。


こんなところに連れてきて一体なんの話だろう。


怪訝に思っていたら、いきなり彼に腕を引かれた。


「あ」


ぎゅっと強く抱きしめられたけど、なんだか現実感がなくて夢を見ているみたいにフワフワする。


彼がこんなことするなんて全然予想できなかった。


「ど、どしたの?」


胸の奥が激しく騒いだ。


「美緒、空じゃなくて俺のそばにいろ」


「……っ」


なにこの展開、頭が追いつかないよ。


私いま彼に告られてるの?


彼は少しだけ体を離すと私の顎に手を添える。


「え」


私は金縛りにあったみたいに身じろぎひとつ出来ない。