そこには、わんちゃん達がきていたことに気がついた。 尻尾をフリフリ、口にはハーネスをくわえていてお散歩のおねだりをしているみたいだ。 ワウワウッ。 「あ、そうだったな、ごめん」 岳はハッとしたように私から離れて、わんちゃん達の頭を撫でた。 「散歩いく?」 いつものポーカーフェイスで何事もなかったように尋ねてきたから、コクリと頷いた。 でも、その後ずっと考えていた。 岳、さっきのはなんだったの? だけど何を言おうとしたのか、結局尋ねることは出来なかった。