なぜか彼氏が2人できちゃいました……。

それなら今日のデートはもう終わりかな。


「うん、わかった。じゃあ私帰るね」


気を利かせたつもりだったけど、彼に引き止められた。


「まだいろよ」


「でも」


「そうだ、犬の散歩をするから美緒もどう?」


「え、やりたいっ」


「その後メシつくるから食ってけよ。帰りも家まで送る」


あれ、気のせいかな。
岳ったら一生懸命私をひきとめようとしてるように見える。


どうして?少しでも長く一緒にいたいから?


でもそんなのほんとの恋人同志みたいだよ。


「何それー彼氏かよー」


照れ隠しで思わず、おどけたようにツッコミをいれた。


「……」


うわ、私ったら今完全に滑ってる。


すると、彼はコクッと息を呑み私をまっすぐに見つめる。


そして、大真面目な顔でボソリと言った。


「彼氏だろ。一応いまは」


「そ、そうでした……」