なぜか彼氏が2人できちゃいました……。

たぶん、餌やりや散歩とか主なお世話をしてるのは彼なんだろうな。


「岳ってお母さんみたい」


「は?なんだよそれ」


褒めたつもりが彼はあんまり嬉しくなさそう。


「なんとなくそう思っただけ」


笑ってそう言ったら、彼は人差し指を口元にあててシーって合図する。


見れば、ソファに座る空くんが小さく寝息をたてている。


その寝顔は凄くあどけない。


岳は空くんに毛布をかけてあげてテレビを消した。


ほら、やっぱりお母さんだ。


私達2人は空くんを起こさないように、和室の方へ移動した。


「ごめん、せっかくきてくれたのに」


「ううん、でもそれなら今日のデートは無しでもよかったのに」


「空がどうしても美緒に会いたいって言うから」


「そうだったんだ」


「でも家なら、ゆっくりできるしいいかなって思ってさ。
このまま寝かせておくよ」