なぜか彼氏が2人できちゃいました……。

黒板に書いてある文字をノートに書き留められなかった時、後から写させてくれたし。


苦手な数学の授業で先生にあてられた時、こっそり答えを教えてくれたり。


あっ、授業中に居眠りをしてた時なんて、前の席にいる彼がバレないように隠してくれたりもしたっけ。


ちょっと思い出してみてもキリがないくらいお世話になった出来事が浮かんでくる。


「あんたのこと好きなんじゃない？」


「えー、どうしょうー」


心が軽いノリで振ってきたから、わざとらしく口元に手をあてた。


「北村くん、絶対あんたに気があるでしょ？」


「そうよね、こんなにイイ女だもんね」


顎に人差し指をあてキメ顔をしてウィンク……からの変顔。


それを見た心は手を叩いて笑う。


もちろん、本心からそう思ってなんかないけどね。


「おいなんだそりゃ」