晩餐を始めようか

ソファーの上で、少しだけ背筋を伸ばした。
「ただいまーって、なんで電気つけてないんだよ。」
リビングに入るなり部屋の電気をつけた堅治は、笑いながら私に言った。
「あはははっごめん、忘れてた。」
考えごとをしすぎて、周りのことが見えていなかった。
堅治は私のことを心配そうに見ながらも、「ぼーっとしてんなぁ。」と、私をからかう。
わざとらしくむっと頬をふくらませながら、閉め忘れていたカーテンを閉めた。
「今日ハンバーグじゃん！うまそー。」
夕飯をキラキラした瞳で見る堅治に、なぜか無性に甘えたくなった。
きっと急に抱きついたら、真っ赤な顔で怒られるんだろうな。
そう思いながら、早く着替えしてくださーいと、堅治の背中を押す。
堅治が着替えている間に、烏龍茶をコップに入れて、食卓テーブルまで運ぶ。
そうしている間に堅治が来て、私たちは向かい合って座った。