クローン人間の僕と人間の彼女

あれから毎日、朋の所に通った。

朋との距離を俺なりに保ちながら…。


「今日は何処行く?」


嬉しそうに朋が聞く。


「今日は…少し話そう」

「え~っ、つまんない」


朋は頬を膨らませて言った。
知らない人が見たら、恋人同士と勘違いされそうだ…。


「俺、明日検査で又入院になると思うから、今日は家でゆっくりしようぜ?」

「又、入院かぁ…。お見舞い行っても…いい?」

「あぁ、来てよ」


朋が普通に一人で家を出られるようになれば、土地を譲って貰える。

少し寂しいけど、朋に会う必要も無くなる…。


「あっ、でも私が一人で外出をする様になれば、ここには来なくなるよね?」

「いや、行くから。お見舞…来てくれよ?」


俺は咄嗟に嘘を付いた。


「本当?じゃあ行くっ!明日は検査があるんでしょ?明後日手術?」

「体調にもよるけど、多分な…」

「じゃあ、明後日、手術前に励ましに行くね!」


朋はなんだか嬉しそうだ。
手術の怖さを全然分かってないだろ?

でもいい。
俺が入院している間、朋が病院に通ってくれたら、退院後には土地が手に入る。


ごめんな、朋…。



退院したら、俺は行けない…。