クローン人間の僕と人間の彼女

「えっ?」


朋の足を見ると、朋は裸足のままだった…。


「わりぃ。よし、靴屋に行こう。俺の奢りだ」

「当たり前でしょ?貴方が無理矢理連れて出るから、靴履けなかったし、お財布も何も無いんだから」

「普通に誘っても、ダメそうだったからさ…。ごめん」

「もういいけど」

「じゃあ乗れよ」


俺は朋の前に立ち、おんぶする格好をした。


「恥ずかしいから、いいっ」

「足、痛いだろ?」

「いいよ…」

「じゃ、俺の靴履けよ」

「…水虫じゃないよね?」

「当たり前だろ?!」


朋は嫌々俺の靴を履き、俺の足より小さい朋の足は、靴をカパカパさせながら歩く。

真っ白のワンピースに不釣り合いなその姿が、何か可愛かった。


「バスで行くか?」

「久し振りだから、歩く」


30分くらい掛けてやっと靴屋に着き、朋はミュールを買った。


「ありがと」


昨日は凄く嫌な女だったのに…。
俺は少し戸惑う。


「何処行く?」

「帰る」

「…じゃあ、バスの時間を見て来るよ」


バス停に行こうとする俺の服を引っ張り、朋は笑顔で言った。


「歩いて帰ろ?」