クローン人間の僕と人間の彼女

俺が土地が欲しい全ての事情を話そうとした時、朋が言った。


「…何で私の勝手な我儘に付き合ってくれるの?」

「……?」


朋は土地の話を知らないのか?
母親が、朋が以前の様に戻れば土地を譲る約束をしたなんて、言う訳がないか…。


「だって、クローンだって働かなきゃ食べていけないでしょ?こんな所に来てる暇は無いんじゃないの?」


朋は俺の事を…心配しているのか?
いや、違う。
朋が待っている言葉…。


「そんな事より君の方が大事だよ?」


俺は自分でもビックリした。
切羽詰まった時、こんなにも簡単に嘘が付けるものなのか?

焦りしかない俺には、朋を惚れさせる事が一番手っ取り早いと、確信していた。

朋はただ寂しいだけ…。
壊れそうなガラスの心を守る為に、必死に強がってるだけだと。


「バッカみたい」


朋は顔を少し赤くして、ソッポを向く。


「本当だよ?初めて会った時…。いや、初めてこの家に来て、この部屋に居る君を見た時から、気になってたんだ」

「……だったら、私を惚れさせてみてよ?クローンなんか、絶対に好きになんないわよ?

「いいよ」


朋が前の生活に戻って、土地が手に入る迄、俺は朋を騙すよ……。