クローン人間の僕と人間の彼女

ーピンポン


「もう大丈夫なの?上がって」


インターホンから伊集院の声がする。

玄関を開けて貰うと、そこには伊集院と朋が、前回と同じ様に出迎えてくれた。


「今日は何処か出掛けようか?」

「今日も朋の部屋がいい」


朋は、小悪魔の様な顔で伊集院…朋の母親の顔色を見ながら、俺に腕を絡ませる。


「あぁ、分かったよ」


俺はそう言って、朋と一緒に部屋に向かった。

部屋に入っても、朋は前回と同じ様に、つまらなそうな顔をして黙り込んだ…。

朋の部屋を見回して、


”共通”


を探す。

朋の部屋は、女の子の割に殺風景だ。
それに引きこもりだからといって、ネットやゲームにはまっている様子もない。

ただ目に入ったのは、まだ子供の朋と両親が写った一枚の写真だった。


「いい写真だね」


俺がそう言うと、朋は隠すように写真を伏せた。


「勝手に見ないでっ!」


朋は俺を睨んで言った。


「ごめん。いい写真だったからさ…」

「……」


俺が見付けた会話のきっかけは、簡単に終わってしまった。

朋はどうすれば俺に心を開く?


俺達には時間が無いんだ…。

現状を話して、朋に頼み込んだ方が早いのか?