クローン人間の僕と人間の彼女

俺はいつもの様に退院をし、又一ケ月…普通の生活に戻る。

明日から伊集院の家に、朋の所に通う。


その時、公衆電話から携帯が鳴った。


「もしもし」

「森本、今テレビを付けてくれ!」


電話の声は速水だ。
俺は言われるがままに、テレビを付ける。


「今回オリンピックの、日本のクローン選手達の活躍に、海外からは批判が上がってます。日本は造った機械に競技をさせているだけだと…」



……俺は呆然とした。
速水達の快挙も頑張りも、何だったんだ…?


「見たか?」

「…はい」

「この流れだと、俺達はいずれ解雇される。スポンサーとの契約は後一年だ…。その前に解消されたら違約金を取れる。…多分解消はされないが…後一年で会社が出来ないと、融資の件も分からなくなるぜ?」

「…一年」

「あぁ、一年だ。頼むぞ?」

「はい」


電話を切ると、俺は伊集院の家に向かった。のんびりしている暇はない。

入院をする事を考えたら、伊集院の家に通えるのは、実質上半年だ。

土地を決めるだけの事に、のんびり時間を掛ける訳にはいかない……。


俺にはもう、焦る気持ちしかなかった…。