クローン人間の僕と人間の彼女

「そして今、速水がタッチしました!世界記録を3秒上回りました!凄いっ!!」


俺達は手を取り合って喜び、笑った。

俺達の仲間は凄いんだ。
速水の快進撃は俺に勇気を与え、人間にかつ優越感みたいな物も生まれた。

凄い選手のクローンだから、当たり前の事かもしれない。

でも、いつも底辺の扱いを受けている俺達にとって、速水の快挙は最高だ。


「それでは速水さんにインタビューをしたいと思います」


泳ぎ終わったばかりの速水は、マスコミからマイクを取り上げ、息を切らせながら言った。


「森本ーっ、次はお前の番だ!!」


速水はマスコミに、そのままマイクを返すと、立ち去る。

俺は笑った。

速水、待ってろよ?
俺がこの世の中を変えてやるよ!

この病室に居る奴らも、功太も、速水達五輪出場のクローン達も、みんなが望む世界を俺がつくってやる。

俺は速水の快挙を勇気に変えて、右手をギュッと握り締めた。



オリンピックは日本のクローン選手達が次々に快進撃をあげ、日本は史上最多の金メダルを獲得した。

その事で、クローン達が自分の首を絞める事になるとは知らずに、日本中が盛り上がっていた……。