クローン人間の僕と人間の彼女

もし彼女を元に戻せた所で、俺に対する彼女の信頼が出来て、俺が余命通り死んでしまったら、彼女はどうなる?


でも俺は言えなかった。


俺が死ねば伊集院にとって、好きになった男が、二度死ぬようなものだ。

人間なんか大嫌いだ。
伊集院が俺を見て、土地を譲る気になればそれで良いと思っていた。


でも…
現実に会ってしまうと、何故だか身内のような気分になった。


だったら生きればいい。


そしたら、会社も創立出来て、誰一人悲しまないんだ。


後2年…。



俺はどうなるんだ?


ー翌日


久し振りに功太と近藤と俺の三人で会議を始めた。

三人の顔は希望に満ち溢れている。


「で、朋ちゃんだっけ?どうするんだ?」


近藤は少し心配そうに聞く。


「ああ。とりあえず暫く通うしかないよな…」

「後はお前にかかってるんだ。頼むぞ!」

「あぁ。じゃあ、早速行って来るよ」

「もう行くのか?」


功太がつまらなそうに言う。


「明日は病院で検査だ。多分そのまま入院だから、今日行っておかないとまずいだろ?」

「…そうか」

「じゃあ、行くよ」


俺はそう言って、伊集院の家へと向かった。