クローン人間の僕と人間の彼女

俺のさっき迄の眠気は何処かに消え、寝ているお袋の元へと行く。
座ったまま眠っていたお袋は横になっていた。


「お袋!融資、決まりそうだっ」

「……」

「…お袋?」


お袋は揺すっても起きなかった…。

俺は急いで救急車を呼び、病院に向かう。

親父…
まだ、お袋を連れていかないでくれよ…。

救急車の中で、俺は必死にそう願った…。


病院に着くと、お袋は集中治療室に運ばれ、俺は外で待つ。

少しすると、医者が出て来て言った。


「一命は取り留めました。でも、もって一週間でしょう…」


俺は言葉が出なかった…。

やっと上手く行き始めたのに…。


もって一週間?


嘘だろ?

まだ親孝行の一つもしてないんだぜ?


散々心配かけて…。
やっと安心させられると思ったら、こうなんのかよ?


俺は涙を堪えて、お袋の居る病室に向かった。

病室に入ると四人部屋の一番手前で、お袋は幸せそうな顔をして眠ってる。


数時間経つとお袋は目を覚まして言った。


「ずっと居てくれたの?ありがとう…」

「当たり前だろ?」

「大分しっかりしたわ。もう大丈夫ね…」

「…俺なんか、まだまだだよ」