クローン人間の僕と人間の彼女

「けんちゃんには、やらなきゃならない事が沢山あるでしょ?」

「……?」

「会社。…だから頑張りなさい」

「……」


俺はどうすれば良いのか分からなかった。

病気を治す事はお袋の負担になり、治さずに死んでしまえば、功太や近藤との夢を一緒に実現出来ない…。

どちらを選んでも、辛い選択には変わりないんだ…。


「お母さんの事は、気にしなくていいの」


お袋の目は強い…。


「分かったよ。でも、お袋が働くような事になるなら、俺は治療をやめるからな」

「分かったわ」


この時、俺はお袋が何を考えているのか分からなかった。


俺は又入院をし、手術が終わると退院した。
会社に行くと功太が聞いた。


「なぁ…。もしかして病気か何かなの?」


これからも度々休む事になるだろう…。
言うしかなかった。


「…あぁ。健二が持っていた癌が発症し始めた。その度手術だよ…」

「……。余命は後どんくらいだ?」

「3年だよ」

「そうか…」

「大丈夫。絶対治して、一緒にこの世の中を変えようぜ?」

「あぁ」


仕事が始まり、病み上がりの仕事はキツイ。

仕事が始まってすぐ、俺は監視役に呼ばれた。