クローン人間の僕と人間の彼女

歯を食いしばりながら、俺は思う…。


警察は何をしてるんだ?

早くこの状況から、俺達を救えよ!

国民を守るのが、お前らの仕事だろっ?!


仕事が終わる頃には、複数の痣が俺の身体に出来ていた…。

それから一週間経っても、二週間経っても、何も変わらなかった。

そして俺達は自ら警察に電話をし、俺達クローンの立場を再確認させられる。


「はい。○○警察署です」

「あの、先日病院から谷本工場の虐待の連絡が入ったと思うんですけど…」

「あ~、アレね。アレなら調査は終わりましたよ」

「えっ?どういう事ですか?」

「谷本工場の社長さんに確認した所、何でもクローン同士の喧嘩が絶えないって、困ってましたよ」

「違います!ちゃんと会社に来て調べて下さいよっ!」

「…君、クローンの方?」

「…そうですけど」

「警察も忙しいんだよね。そんな事に構ってる程暇じゃないんだよ!じゃあ」

「ちょっ…」


一方的に電話を切られ、俺は携帯を強く握り締めた。


そんな事って何だよ?


この複数の痣も、社長の一言で消えてしまうのか…。


警察なんかに少しでも期待した、俺がバカだったよ。