クローン人間の僕と人間の彼女

ー翌日


「あの後どうだった?」


興味津々の顔をして功太が聞く。


「いつもと一緒。”近寄らないで、気持ち悪い!”だとよ。こっちだってお断りだ」

「まぁな。簡単に寝る、奴らの方が気持ち悪いよ」


俺と功太は笑った。


「俺は一生結婚出来ないかもな。あっ、悪い…」


功太のDNAの持ち主は、交通事故死だった。
だから、寿命は決まってない。


「いいよ、俺は早く消えたいんだ」

「…何か、分かる気がするよ」

「まぁ、後5年だ。それまでは仲良くしてくれよな」

「当たり前だろっ?」


功太は少し涙ぐんだ。


「でも俺は…」

「何だ?」

「俺が死ぬ時は、病院のベッドじゃなくて樹海で死にたいよ…」

「?」

「俺の身代わりが又出来たら、そいつが可哀想だろ?」

「じゃあ、お前が死ぬ時は、俺が樹海に連れて行ってやるな」

「おぉ、約束なっ!」

「あぁ…」


功太が本気で言ったのかは分からない。
でも俺は本気だった。


「今日も行くの?」

「今日は…やめとく」

「じゃあ、俺帰るわ。ババぁが心配してうるせぇから」

「あぁ。又なっ」


功太はダルそうな顔をして、家に帰って行った。