クローン人間の僕と人間の彼女

どうしたらいいのか分からないまま、俺達はただ頭を下げに行く事しか
出来ず、一ケ月が経った。

そして、俺の二度目の検査の時が来た。

前回の様に検査項目が書いてある紙を持ち、検査をして回る。

でも、前回とは検査結果が違っていた。


「この喉の所に小さな腫瘍があるのは、分かりますか?」

「…はい」

「健二くんと同じ所なので、悪性でしょう…。早めに取ってしまいましょう」

「…はい」


その日、俺の入院が決まった。

俺は、この手術で治るのだろうか…?

お袋は俺の腕をギュッと掴んだ…。


俺は近藤と功太に、お袋の田舎に行くと言い、入院した。

こんな時に入院すると言って、心配を掛けるのが嫌だからだ。

入院期間は一ケ月…。


病室は四人部屋で、俺は窓際のベッドだった。

春の風が気持ちいい…。


俺は病室のテレビを付けた。

チャンネルを変えると、来年行われるオリンピックの選手権特集がやっていた。

【オリンピックに向けて注目の選手はやはりこの人!水泳の速水海選手です】


速水海の映像が映し出され、アナウンサーは続ける。