クローン人間の僕と人間の彼女

「…今?」

「健二の時は発症から、かなり遅れて発見されたから、ちゃんと分からないけど…。お医者さんが、この時期だろうって…」

「……」

「これからは、マメに病院に通って治しましょ?」

「あぁ…。で、何の病気だった?」

「癌よ…。発見された時はあちこちに転移しててね…。大丈夫!早く見付かれば必ず治るわ」


そう言って、お袋は笑った。

もうすぐ俺の身体に癌が出来るのか…。

でも俺は死ぬ訳にはいかない。

俺と近藤と功太の夢が…


クローン達の未来が掛かってるんだ…。


一週間後、お袋と俺は健二が入院してたという病院に行った。
医者も変わってなく、健二のカルテも保管している。


「お願いします」


俺は椅子に座る。


「何か症状はありますか?」

「いいえ…」

「そうですか。でも念のため、健二君が癌になった所を全部検査しましょう」


医者はそう言って、検査項目が書いてある紙を渡し、俺とお袋は一つずつ回って行った。

全部回り少し待たされた後、検査結果を聞く。


「まだ発症はしてないですね。これからは月に一回は通って下さい。生命保険に入れないのに、大きい手術になると大変ですからね」