クローン人間の僕と人間の彼女

計画は着々と進む。


「これが会社の設計図だ!」


嬉しそうに近藤が見せた。


「すげぇ!」

「後はこれを建てる会社を探して、土地を買って、問題は融資だな…」

「…融資か」


ついこの前まで無職だった俺と功太に貯金は無く、近藤一人の貯金ではとても追い付かない。

俺達の様子をニコニコしながら見ていた、お袋が言った。


「この家を担保にしてもいいわよ。もうけんちゃんの物なんだから」

「お袋…」

「おばさん…有難い話だけど、会社を建てる程の融資は…」


近藤の言葉に俺達は又静まり返る。


「そうなの?…まぁ、今日はそれくらいにして、ご飯にしましょ」

「やったぁ、頂きます!」


最近、俺達三人の集合場所はうちで、お袋は嬉しいらしく、功太と近藤が来る度に楽しそうにご馳走を作る。


「じゃあ、又来ます」

「えぇ、いつでも来てね」


お袋は功太達を見送ると、古いノートを持って来て俺に渡した。


「何?」

「健二の病状を書いた物よ」


俺はパラパラとページを捲ると


”【発症】”


と書いてあるページに目が止まった。


”死より、3~4年前”


そう記されている。