クローン人間の僕と人間の彼女

三人の間に重い空気が流れ…


近藤が口を開いた


「…殺したよ」


俺は近藤が本当だと認めた事のショックと、許せないという怒りが混ざり合い、言葉が出てこない…


「そんな奴と…一緒に…誰が仕事なんかするんだよ!」


低い声で功太が言った。


「俺と一緒に仕事をしたくないなら、それでいい。でも俺は一人でも会社を創るからな」

「勝手にしろよっ!」


俺と功太は車に乗り込み、長い沈黙が続いた。


俺は心の何処かで、近藤を信じたかったんだ。


でも、
アイツは否定しなかった。



否定しなかった……



「おい、クローン集まれっ!」


翌日監視役の奴らが、集合を掛ける。

俺達は急いで監視役の元に行った。


「明日から、一泊二日の社員旅行だ」


…社員旅行?

疲れ切った顔をしたクローン達は、一瞬で笑顔になった。


「…俺達のな」


監視役はニヤリと笑う。


「お前らは仕事だ。荷物は来ないから、掃除でもしてろ。手を抜いたら…分かってるな?」


やっぱり…
そんなもんだ。

俺達を旅行に連れて行く訳がない。


「まぁ、しっかり頑張れや。今日は上がっていいぞ」


監視役は上機嫌で帰って行った。