クローン人間の僕と人間の彼女

「あぁ。会社に近藤って奴が居て、その人と俺と功太の三人で、クローンも普通に働ける会社を創るんだ」

心配そうな顔をしているお袋に、俺は笑って見せた。


「…ごめんね、ごめんね」


そう言って、泣きながら何度も謝るお袋に俺は言った。


「いいんだ。俺が人間だったら、クローンを殴ってたかもしれない…。クローンだから、今の現状を変えたいと思える…だろ?」

「……」

「平気で誰かを殴る人間になるくらいなら、俺はクローンでいいんだよ」

「…お母さんも力になるから、頑張るのよ」




俺と近藤と功太はマメに連絡を取り、近藤の会社設立の進行の報告を聞いたり、少しずつ計画を進めていった。

そんな近藤の必死さに、俺も功太も近藤への信頼を、確実な物へと変えていく。

そんなある日、監視役の一人に俺と功太が呼ばれた。


「お前ら最近、近藤とつるんでるらしいな?」

「……」

「アイツの事、信頼してるのか?」

「…それが何か?」

「お前ら殺されるぞ?」

「…近藤さんは、そんな人じゃないっ!」

「アイツ、クローンを殺してんだよ」


そう言って監視役は大笑いした…。