「じゃあ、大丈夫だな」 「…何がですか?」 「俺は後一年で、仕事を全部覚える。そして新しい会社を立ち上げるんだ」 「新しい会社?」 「あぁ。クローンも普通に働ける会社だ」 「…?!普通に?」 「人間とクローンの差別を無くす第一歩だよ」 近藤は目をギラギラさせ、少し微笑んだ。 「今普通にクローンが働けないなら、普通に働ける会社を創ればいいんだよ!でも俺一人じゃ無理だ。一緒にやらないか?」 それは俺達にとって、夢のような話だった。 長いトンネルに微かな光が道を照らす……。