クローン人間の僕と人間の彼女

ーガチャッ


「おい、新人の森本だ」

「おう」

「後は頼んだぞ」


そう言い残して今岡は出て行った。

監視役の奴らは五人居て、その内の一人以外は俺をギラギラした目で見ていて、クローンの奴らは、手を休める事なく働いている。

その中には功太の姿もあった。


「お前、森本っていうのか?」

「はい…」

「上の服脱げよ」

「…?」

「いいから脱げよっ!」

「…はい」


俺が上の服を脱ぐと、一番偉そうな男が俺の身体を見て、ニヤリと笑った。


「クローンの証はちゃんとある。お前もアイツらと働け!おい木内、コイツに仕事を教ええてやれっ!」

「はい」


功太が俺の所に来て、仕事を教える。


「功太、俺…」

「喋ったら殴られるぞ」


険しい顔をして、功太は小声で言った。

俺は喋るのを止め、教わった通りに仕事をする。

仕事といっても、重さ10キロある段ボール箱を、各トラックに運ぶだけだった。

それを休憩無しでひたすら続ける。


仕事が終わる頃になると、動けなくなる奴もいて、そんな奴にも容赦なく監視役は殴る蹴るを繰り返した……。