クローン人間の僕と人間の彼女

「朋ちゃん、そろそろ」

「うん」


私は大きく深呼吸をして、近藤さんと斎場へと向かった。

お葬式を挙げる事は、健治と功太くんの死を認める事。

私は、あの時健治と交換した、数珠のブレスレットをギュッと握り締めた。



斎場に着いた瞬間、私も近藤さんも立ち止り、呆然とする。


健治が居なくなって、もう何年も経つのに……。


斎場に入りきれない人が、
道に溢れていた……。




ねぇ、健治…。
こんなに沢山の人が居るよ?
貴方と功太くんのお別れに、こんなに沢山の人が……。


その中には、おにぎりのお婆ちゃんの姿と一緒に、中年夫婦と高校生くらいの子供も見えた。

お婆ちゃんが私を見付けると、私の方に来て言った。


「元気にしていたかい?あの後ね、アタシの所に息子夫婦が帰って来たんだよ」


お婆ちゃんは嬉しそうに言うと、遠い目をして続ける。


「あの子は結局見付からなかったんだねぇ…」


私は黙って頷いた。


「そんな顔しちゃダメだよ?あの子はこれだけの人を幸せにしたんだ。この人達より幸せにならなきゃ、あの子が悲しむよ」


お婆ちゃんは優しく微笑むと、息子さん達の方に戻って行った。