クローン人間の僕と人間の彼女

あれから、何日が経ったんだろう…?


当たり前だけど、俺も功太も飲まず食わずで


少しずつ…
話す回数も減っていった。


俺の手は…
指先が腐りかかって…。


こんな姿、
朋に見せないで済んで良かったよ…


なぁ、朋
今何やってんだ…?


なぁ、朋
おにぎりのお婆ちゃんは元気か…?


会社は…近藤が上手くやってくれてるよな…?


朋…
こんな俺だけど生まれてきて良かったよ…




こんな終わらせ方しか出来なくて…





ごめんな




雪が降っていた…。



俺の目の前で雪が…。


「功太…雪が…綺麗だ…な」

「雪なんか降ってねぇ…よ!しっかりしろよ?先に逝かないでくれよ!」


もう俺は何が現実なのかさえ、分からない……


功太の声も
よく分からない…


でも、
少し舞う雪の中で、
親父とお袋がニッコリ笑っているのは分かるんだ…


俺は最後の力を振り絞って…


一言だけ功太に伝えて眠った……。



「いい人生だった…な」






舞い散る雪の中で……