クローン人間の僕と人間の彼女

「よし、この辺にするか」


俺と功太は座り込む。


「お前明るくなったらちゃんと帰れよ?」

「分かってるって」

「少し寒いなぁ…」


功太と俺は、二人で過ごす最後の夜をくっついて語り明かした。


少しずつ、辺りが明るくなっていく…。



そして、俺は気付いたんだ…。



「功太!お前目印のお菓子は?!」


そう…
功太が置いていた目印のお菓子が無かったんだ……。


俺は血の気が引いていくのが分かった。


功太は少し寂しそうな顔をして、遠くを見るような目をしていた。


「いいんだ。俺、最初からそのつもりだったから…」

「バカ!お前はまだ生きられるんだぞ?もう少し先に行けば目印が残ってるかもしれない…。だから戻れよ…」

「そんなの、もう動物が食ってるよ」

「何やってんだよ……」




俺がそう言ったら、功太は笑って言ったんだ…。


「俺達はいつも一緒だろ?」




そう、笑って…。





俺はもう何も言えなかったよ……。