クローン人間の僕と人間の彼女

「功太…」


そこには満面の笑みで、功太が立っていた。


「ほら、肩貸してやるよ」

「お前…何で来たんだ?」


未来ある功太を、俺は道連れにしたくないんだ…!


「健治の明かりを追ったんだ」

「…いや、そうじゃなくて…」

「大丈夫だよ。さっき買ったお菓子を目印に置いてるから」


功太が来た道を照らすと、袋に入った飴が続いているのが見えた。


「…ちゃんと帰れよ?」

「あぁ…」


俺は立ち上がり、功太の肩を借りて又一歩ずつ歩く。


「そういえば、あの車はどうした?」

「あー…、あれ盗難車」

「…?」

「健治がここに来たって足が付かないだろ?」


俺は功太が言ってる事を、不信にに思いながらも前へ前へと歩く。


「なぁ、気持ち悪いから歌でも歌わね?」

「…お前、そんなんで一人で戻れんの?」

「明るくなる迄待つから」

「本当にしょうがねぇな。俺が知ってる歌にしろよ?」


俺と功太は歌った。
中学の頃流行った歌とか、俺が疲れて歌えなくなったら少し休憩して、樹海の中で歌いまくった。