クローン人間の僕と人間の彼女

「なぁ、着く前にコンビニに寄ってくれないか?」

「…?」

「荷物を捨てて行きたいんだ」

「了解!」


コンビニが見えると功太は車を止め、俺はコンビニのゴミ箱に荷物を捨てた。

中に入ると、功太がカゴ半分くらいお菓子を入れていた。


「何やってんだ?」

「腹減るかもしんねぇじゃん!」

「そうだな」


二人で好きなお菓子を選んで、カゴいっぱいになったお菓子を買うと、又、俺達は変なテンションでお菓子を食べながら車を走らせた。


そして着いたんだ。


気持ちが悪いくらい静かで、入ると二度と出られないという、



樹海に……。


俺は功太の車の中にあった懐中電灯を借り、樹海を照らして笑顔で言った。


「じゃあ、後は頼むな…」


すると、功太は泣きそうな顔をして俺をジッと見て言った。


「あぁ…」


俺は功太とガッシリ握手をすると、一人で樹海の方を向いて一歩ずつ歩いて行く…。


俺は振り向かないで、
”死”
だけを求めて、樹海を歩いた…。


ゆっくりと歩いても、入院と退院を繰り返していた俺の身体は、昔の様には動かない。

俺は息を切らして、とりあえずその場に座り込んだ。


「だらしねぇな!」


聞こえて来た声に一瞬ビクッとして、俺は懐中電灯で声がする方を照らした。