クローン人間の僕と人間の彼女

ーガチャ

何も知らない朋が病室に入って来た。


「功太くん来てたんだ?どう?健治の調子」


ごめんな、朋。
俺は今からお前を傷つける。
俺の事…嫌いになれよ?


「なぁ、朋。もう来ないでくれないか?」


一瞬で朋の顔が歪んだ…。
そんな顔するなよ…
痛いんだ


「…何…で?」

「お前の事なんて、始めから土地と金目当てだよ。分からなかった?」

「だって…健治は…」


朋が泣いた…。
俺は息が苦しくて息も出来なくなるくらい、痛かった。


「いいから行けよっ!!」


朋は俺の怒鳴り声を聞いて、一瞬ビクッとし、何も言わないで走って病室を出て行った…。

胸が張り裂ける程い痛かった。
こんな事を言うくらいなら、死んだ方がまだマシだ…。

死ななければ、こんな事をしなくて済んだのに…。


「お前言い過ぎだよ」

「いいから早く追い掛けて来いよ…俺がどんな思いで言ったか分かってんのか…?」

「クソッ!」


功太が朋を追い掛けて行くのを確認して、俺は次の準備を始めた。

ベッドに付いた髪の毛をコロコロで奇麗に取り、布団を畳む。