俺が目を覚ますと、真っ赤に目を腫らした朋の顔が、目の前にあった。


「良かった…。すぐに先生呼ぶね」


朋はナースコールを押す姿を見ていると、朋が付けていた数珠が外されている事気付いた。

手術前…俺があんな事を言った事を言ったからのか?

俺は聞こうと思ったけど、医者がすぐに来て聞けなかった。


「森本さん、どうですか?調子は」


軽い診察をしながら、医者が聞く。


「…大丈夫です」

「それは良かった」

「先生、これでもう大丈夫なんですよね?」

「今の段階では完全にとは言い切れないけど、まぁ大丈夫でしょう」


”まぁ大丈夫でしょう”

俺は煮え切らない医者の言葉に不安を感じた。


「ちゃんと言ってくれよ…まだ何かあるんですか?」

「いつもと同じ…。手術の経過を見る迄は絶対に大丈夫とは言えないんだよ」

「ふ~ん…」

「じゃあ何か変わった事があったら、すぐにナースコールで呼んで下さい」


そう言うと、医者は出て行った。


「大丈夫。手術も無事に終わったんだから」

「そうだな!」

「後は退院を待つだけだね」